自分が「最も社会に貢献できる何か」は「最もやりたいこと」でないことは多い
- 作者: 竹井 善昭,米倉誠一郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/09/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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最近したブコメ、ふたつ。
概ね正しい。プログラミングよりも今やらされている作業の方が社会に対して価値を創出しているわけだから組織にいたらそれをやらされるし、そっちの方が食えるってこと。食う分を稼ぎきったら好きなことできるよ。
例えるなら、人を騙しているという罪悪感を感じるようになってしまった手品師が種明かしをしたくなった、というところだろう。気持ち、よく分かるけどな。会社員してる限りは結局それを続けるしかないんだよね。
これ、共通性を見いだしたので強引にまとめてみる。
両者が置かれている状況としては、会社への貢献度が最適化、最大化されている状況なんだけど、本人の希望とは乖離している状況、ということになる。
前者の方は、プログラミングが好きなんだけどそれ以外の仕事をやらされるようになった。
後者の人は、様々なテクニックを覚えて駆使しているんだけど、人を騙している罪悪感のようなものに苛まれている。
いうまでもなく会社員は会社に貢献し、その対価としてサラリーをもらう。
会社、企業は社会に価値を提供し、その対価として売上げ、利益が得られる。
会社は社会に提供する価値を最大化する方向に力が働く。
会社員はそのような組織の中で、組織の会社全体のパフォーマンスを最適化、最大化するような力を受け、結果としてその通りに振る舞う。
それが例えばプログラミング以外の雑務、であったり、詐欺まがいのプレゼン、出会ったりする。
それは会社ひいても社会に対して最大限の価値を創出しているから全体としては良いのだけども、しかし、自分の意志とは違う、という問題、ジレンマだ。
という風に一般化して考えると、これは実によくある話だと思う。
色々と考えられるが、私が今のところ最良かなと思っている対応は、
- 割り切って今の作業を続け、今の稼ぎを最大化する
- 食うに困らないほど資産を作る
- あとは好きにする
資産と収入、支出によって金額は変わるだろう。
実際、ほとんどの人がこれをやっているんだという気もする。
食うに困らない程の資産があれば、好きなだけプログラミングをやってられるし、詐欺まがいのプレゼンをやらなくても済む。
以下、蛇足としての自問自答。
「プログラミングで20倍の生産性を出せるんだから、そっちの方が貢献できるはず」
いや、仮にそうだとしても客観的、納得的な合意ができなければ絵空事にすぎない。
また、そのプログラムは凡人20人連れてきてできるかもしれないが、あなたが今やっている役割は他の人を何人集めてもできないのだから「結局」あなたがやるしかない。
「詐欺まがいのプレゼンでなく、正しいプレゼンで説得できるし、すべきだ」
すべきかもしれないが、結局のところ(その会社の意思決定構造にもよるが)、どうせ多分、おなじ結論になる。
だったら、詐欺まがいだろうが、さっと意思決定して実行に移す方が良い。
まさに噓も方便。
正しくあるための嘘、というのがある。